母 国 情 緒




旦那、手ぇ繋いでいいですか?


あぁ?なんでだ。


今日結構人が沢山居るからです。



別に離れやしねぇだろ。


分かんないですよぉ。私か弱いもの。


何処がだよ馬鹿。



あー、今馬鹿って云いましたね!

馬鹿って云う方が馬鹿なんですから!



へぇへぇ、どうせ俺ぁ馬鹿だよ。




もぅ!


あ、じゃあじゃあ旦那、腕組んでいいですか?




そんなもん恋人同士がすることじゃねぇか。




良いじゃないですかぁ恋人同士で。


と俺じゃ親子にしか見えねぇと思うがな。




酷ぉい!子供扱いしないで下さい。



お前ぇさんどっからどう見ても子供だろうが。



でももうすぐ私成人しますもん。恋愛に歳は関係なし!




あぁそうかよ。…そうだな。そんならあと五年したら考えてやるよ。




え、ホントですか?



おぅよ。そしたら恋人にでもなんでもなってやらぁ。




じゃあ、五年経ったら私の事好きになってくれます?



五年もすりゃだって一人前になるだろうからな。


やったー!嘘吐いちゃ駄目ですよ!



勿論だ。俺を誰だと思ってやがる。



うふふ。それじゃあ指切りしましょう!手ぇ出してください!



なンだよ恥ずかしいだろうが。


いいからいいから。





指 切 り 拳 万 



嘘 吐 い た ら 針 千 本 飲 ー ま す





指切った!



声がでけぇだろ


うふふ。五年後が楽しみです。



…おぅよ。












早く五年経たないかな。





そう云って嬉しそうに坂道を駆け上がっていくを見て、木場ははにかみ乍ら呟いた。
























「今でも充分惚れてんだけどな。」










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        なんか異色。

        木場修夢は名前変換が少ないんですよ何故か。


        2006.2.7